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2012年05月06日

弁理士試験短答式試験直前2週間の過ごし方

この時期は、「分からないところを理解する時期」ではありません。
「既に分かっているところ、理解しているところを100%記憶する時期」です。
自分で考えて理解しようとする時間はもうありません。分からないところは周りの人に聞くべきです。
「この条文は概ね分かっているから勉強しなくていい」というのは誤りです。
分かっている(つもりの)条文だからこそ100%正確に記憶するべきなのです。
そうしないと、新作問題が解けません。

まず、この二週間、合計で何時間確保できるのかを分単位で数値化しましょう。
数値化した時間をどう使うかですが、直前一、二週間は、勉強時間の比率を変えながら、必ず毎日全科目を勉強するべきです。

本試験に近づくほど、四法の比率を上げていくべきです。
一週間のうち、後半(最後の3、4日間)は四法を重点的(8割)にやります。条不著は2、3割程度で済ませるべきです。
一週間のうち、前半(最初の7、6、5日)は、条不著に5割〜6割の時間をかけても良いと思います。但し4法も4割程度は時間を割くべきです。

その理由は、条不著は、一週間前の記憶くらいのレベルでも何とか解答にたどり着けます。一週間前に復習した記憶でもそれなりに戦える場合が多いです。
これに対して、四法は、一週間たつと忘れてしまうような条文の細かいところが訊かれます。直前に必ず勉強しなければなりません。四法の問題は、直前に見たかすかな記憶を手がかりに解くものも多いと思います。そのときに、直前に四法の条文を見た時間が長いほど、有利です。

直前期は、比率を変えつつも、毎日かならず全科目を勉強するべきです。
人間の脳は、いったん記憶が薄れてからもう一度思い出すというプロセスを経て、記憶が強化される仕組みを持っているそうです。なんとなく思い出せる程度のぼんやりとした記憶を、復習で再確認するたびに、記憶が強化されていきます。
完全に忘れてしまってからでは、その効果を期待できません。復習ではなく、新しい事項を学習する状態になるからです。
そこで、毎日少しでも全科目を復習して、前日に勉強した科目のテキストを開いて、前日に何を勉強したのかを思い出すべきです。一日一科目と決めてしまうと、きりがいいと言うメリットはありますが、このような”思い出す機会”を取ることができません。

この2週間は、個々人が1年間やってきた勉強の集大成です。
周囲の「あのテキストがいい、あの講座がいい」という誘惑に負けないで、ただひたすら、
1年勉強してきたテキストや過去問の復習あるのみです。
今の直前期に欲しくなるテキストや講座は、ほとんどの場合には必要のないものです。
これまでがんばってきた自分を信じて、本試験に挑んでください。

(望ゼミ講師 弁理士 高橋)




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