口述受験者1006人に対して、合格者721人、不合格者は286人、口述試験の合格率は71.6%の結果となりました。合格率71.6%は、昨年の70.1%、一昨年の79,3%と比べて、決して甘くはなってはいません。
ところが、これとは逆に、今年の口述試験を受けた受験生からは、「絶対大丈夫だと思う」、「三科目とも問題の最後まで行くことができた」、「時間が余り試験委員と雑談した」等、自信に満ちた発言がほとんどを占めていました。では、受験生の感触と合格結果との齟齬は、何が原因なのでしょうか。
原因は、口述試験の実施方法が変わったものと思われます。昨年までは、「できない問題があると途中で打ち切られた」、「時間が来たので終わりと言われた」等、用意された問題の最後まで行き着けないことが不合格に直結していたようです。そのため、 「問題の最後までたどり着いた」、「試験委員から助け舟が出た」ことが、合格を示唆するものと理解されていました。
しかし、今年は、「途中で打ち切ることはしない」、「とにかく設問は全て出題する」という基本方針の下、たとえ受験生の回答が誤っていても、そのまま進行したようです。その結果、助け舟どころか、間違っていても「本当ですか」等のアドバイスも全くされなかったのが現実でした。これは、口述試験の試験委員が三振制度に慣れてきたことを意味しますから、口述受験二度目、三度目も容赦はありません。
平成24年最終合格を目指すためには、やはり、日頃から論点についてデスカッションができるような環境のゼミでの学習が不可欠であることが明白になりました。